フリーランスや個人事業主として仕事をする際に作っておきたいのが”名刺”です。
まあ、別になければないで仕事はできますが・・・。
しかし、フリーランスでエンジニアを10年以上やっている自分からすると、フリーランスで働き続けたいと考えているのであれば、名刺は絶対に作っておいた方がいいと思っています。
なぜなら、名刺という具現化された自分の情報を他人に渡しておくことで、仕事を得られるチャンスが増えるからです。
一度でも仕事をしたことのある顧客であれば、電話番号やメールアドレスが何らかの形で残っていますので、連絡は簡単につきます。
ですが、何度か顔を合わせた程度やちょっと知っている程度の間柄では、いざ先方がこちらと連絡を取りたい場合、意外とその手段に困ったりします。
そんな時でも形として残っている名刺があれば、そこに記載してある電話番号やメールアドレスに連絡することができるんです。
私の場合、名刺に記載しているメールアドレスと普段仕事で使っているメールアドレスは違います。
なので名刺に記載しているメールアドレスに連絡があった場合は名刺の力を実感します。
そして、そこから長期の仕事に繋がったというような事もありました。
ただの小さな紙切れでしかない名刺ですが、それをきっかけにして仕事が得られれば、これほどコスパの高い営業ツールはありませんよ。
はじめに
名刺に公式な形なんてものはありません。
なので、どう作ろうが自由です。
ですが、一般的なものとかけ離れていると、名刺を渡される側が混乱したり、違和感を覚えるかもしれません。
職種やビジネスがよほど変わったものでなければ、シンプルなものが間違いないです。
それに名刺は基本、ストックしておくものなので、形やサイズもできるだけ一般的に広まっているものに合わせた方がいいでしょう。
名刺で重要なのは、「名刺を渡される側」の立場になって考える事です。
本名は載せるべきか?
上でも書きましたが、名刺の記載内容に決まったルールはありません。
もちろん「本名を記載しなければならない」なんてルールもないです。
なのでペンネームでも良いですが、名刺とは相手に信用を提供するツールでもあります。
はじめはどこの誰だか分からない人間が、名刺を渡す事によって「私、〇〇という名前で、●●を拠点に活動しています」と素性を明かす事になります。
ですので、できるだけ本名の方が、相手に安心してもらえると思います。
肩書きは載せるべきか?
これは絶対に載せた方が良いです。
私もそうですが、受け取った名刺の情報を読み取る際、多くの人はまず肩書きをチェックします。
社長?部長?どこの部署?
そりゃそうです。ビジネスの場で重量なのは相手の個人名よりも、相手のポジションであったり、どんな仕事をしているかですから。
それではフリーランスの場合、どんな肩書きが一般的か。よくあるのは以下のようなものです。
・代表
・エンジニア
・ライター
・カメラマン
・WEBデザイナー
フリーランスであれば、この辺りは会社員よりもずっと自由度が高いです。
何しろ好きに名乗れますから。
なので、差別化を図るために、ちょっと個性を出してみるのもいいかもしれません。
・ノマドエンジニア
・旅するカメラマン
もちろん嘘はいけませんが(笑
住所は載せるべきか?
事務所は自宅とは別というのであれば問題ないでしょうが、フリーランスや個人事業主の場合は、自宅で仕事をしている人も多いかと。
名刺に住所が記載されていない場合は、信用力に疑いを持たれるかもしれません。
なので、たとえ自宅住所であっても、名刺には住所を記載すべきです。
といっても個人情報でもあるので、公にしたくないという場合は、コワーキングスペースやバーチャルオフィスを利用するのもありです。
また、番地まで載せるのには抵抗があるといって、「○○町」などで留めている名刺がたまにありますが、これは逆効果です。
「大体この辺りに住んでいる」という曖昧な情報は相手に余計な不安を与える可能性大です。
電話番号は載せるべきか?
ネットがこれだけ広まっている世の中ですので、本当に連絡が取りたい場合はメールアドレスがあれば充分だとは思います。
ただ、やはりまだまだ「メールアドレスよりも電話番号」と考えている人も多いです。
特にビジネス上の決裁権を持っている人にはこの傾向が強いですから、電話番号は必須項目です。
固定電話の番号か携帯番号かですが、私の場合は、両方とも名刺に記載しています。固定電話は自宅の番号です。
ですが、今まで固定電話の方に仕事の連絡が入ったことはただの一度もありません(笑
また、固定、携帯に関わらず個人情報を名刺に記載したくないという気持ちは分かります。私もはじめはそうでした。
しかし、現実的なリスクを考えた場合、公開する事によって発生する実害ってセールスの電話が増える程度なんですよね。
個人の電話番号程度にはそれほど価値がないのが実際のところでしょう。
メールアドレスは載せるべきか?
メールアドレスは必須でしょう。
電話と違って気軽に問い合わせる事ができますし、非同期ですし。
メールアドレスに関しては、無料のGmailなどでも良いかという議論がよくありますが、フリーランスや個人事業主で飯を食っていこうと考えているなら、独自ドメインにすべきです。
理由は「格好悪いから」です。
ここにきて精神論ですが(笑
名刺は別の角度から見ると「ビジネス上の自分を格好良く見せるツール」でもありますから。
たとえたいした仕事をしてなくても肩書きに「テクニカルアドバイザー」って書いてあったら、なんか凄そうに見えますからね。
ですので、できればメールアドレスがGmailやyahooメールってのは避けた方が無難です。
独自ドメインのメールアドレスなんて年間数千円で取れますから。
デザインについて
名刺のデザインは紙の材質から、大きさ、中身のレイアウトまで自由度が無限にあります。
相手の印象に残るために凝ったものにするのもいいですが、やり過ぎてしまうと裏目に出ることも。
なのでここではNG事例を挙げていきます。
・サイズが異様に小さい、又は大きい
名刺は受け取った後、ストックするものですので、あまりにも他の名刺とサイズが違うと扱いに困ります。最悪の場合、捨てられるので普通サイズがいいでしょう。
・形が変わっている
稀にちょっと変わった形の名刺を渡してくる人がいるんですが、受け取る側からすると保管しにくいので、やめておいた方がいいです
。以前、漁業関連のフリーランスという珍しい仕事をしている人と知り合ったのですが、名刺が魚の形をしていました。
もらった時はインパクトがあって面白かったのですが、いざストックするとなると、どうにも収まりが悪い(笑
数ヶ月後には捨てることに・・・。
・読みにくいフォント
デザイナーなら別かもしれませんが、それ以外の職種であれば、あまりにもフォントに凝り過ぎて読みにくい名刺は避けた方がいいでしょう。
名刺はあくまでもフリーランスや個人事業主の基本情報が記載してあるものなので、読みにくいなんてのは論外です。
私は以前、象形文字のような名刺をもらった事があるのですが、「この人、クセが強そう」って思ってしまいました(笑
本人は最大限個性を出しているつもりなのでしょうが、名刺においては意識が高過ぎると変人扱いされます。
名刺を二つ用意する
上で名刺には実名、住所、電話番号などを記載した方が良いと書きましたが、やはり個人情報を公にするには抵抗がある、という人もいるでしょう。
又、交流会やセミナーでは不特定多数の人と名刺を交換します。その場合、どこの誰かも分からない人に名刺をばらまくわけですから、リスクもゼロではないです。
そこで名刺を二つ作っておくのもありです。
一つは実名、住所、電話番号が記載された正式なもの。
そして、もう一つは住所、固定電話番号の記載がない配布用にしておきます。
配布用は携帯番号やメールアドレスを記載しておけば、相手が連絡を取りたい場合は、それらで連絡がつきます。
交流会やセミナーなど、不特定多数の人に配る時は配布用の名刺を使い、そこから繋がりそうな、又は繋がった場合は正式な名刺を渡せばいいと思います。
まとめ
名刺はフリーランス、個人事業主にとって事業の顔となるツールです。
個性を出すのも重要ですが、あまり奇をてらい過ぎると裏目に出てしまいます。
そして、できれば自らの事業のテーマ、目標とリンクするようなものを用意しましょう。
うまく名刺を使いこなせれば、ビジネス上の強い武器になるかもしれません。