技術

iOS開発という視点でMacbook ProとMacbookを比較してみた

iphoneアプリやipadアプリを作るのに必要なMac。

クロスプラットフォームの開発環境(XamarinやCordova)であればWindowsを使って開発もできますが、最終的に作成したプログラムをビルドするにはMacが必要となります(正確にいうとMacinCloudというクラウドサービスでもビルドすることができますが、まだ普通に利用できるレベルではありません)。

私はiOS開発で2台のMac、MacbookProとMacbookを使用しています。MacbookProに関してはある程度のスペックですので仕事用として問題はありません。

一方、Macbookの方は最近手に入れたばかりで環境を整えて、さあこれから外出先でも開発できるぞ(実際にはそんなしない・・・)と意気込んではみたものの、開発で本当に使い物になるのか少々不安です。

そこでMacbookProとMacbookをiOS開発という視点で比較してみようと思います。スペックのベンチマークなどはググったら出てくると思いますし、実際にXcodeを使用しての結果を比較していきます。

今回使用するのはこちらの2台です。左がMacbookProで、右がMacbookです。Macbookを開発用途の購入で迷ってる方は、ぜひ参考にしてみてください。

Mac

比較するMacのスペック

それぞれ比較対象のMacのスペックです。

■MacbookPro

型番  :MacBook Pro (Retina, 13-inch, Mid 2014)
CPU  :2.6 GHz Intel Core i5
メモリ :8 GB 1600 MHz DDR3
SSD   :128G
macpro1

macpro2

■Macbook

型番  :MacBook (Retina, 12-inch, Early 2015)
CPU  :1.1 GHz Intel Core M
メモリ :8 GB 1600 MHz DDR3
SSD   :256G

macbook1 macbook2

できるだけ同じ条件にはしたかったのですが、以下の点が前提条件です。

・MacbookProのOSはmacOS Sierra(10.12.3)に対してMacbookのOSはOSX EI Capitan(10.11.6)。
・Xcodeのバージョンは両者同じXcode8.2.1
・インストールされているアプリは多少違う。
・それぞれBootCampにてWindows10がインストール済み。

MacbookPro、Macbookどちらも最新機種ではありませんが、ここは少し前の機種でも十分現役でいけるというポジティブな捉え方でお願いします(笑

検証方法

次に検証方法ですが、以下にてそれぞれ実行時間を計測し、比較的大きめのプロジェクトの検証時は合わせてCPU、メモリなどのリソース状況をモニタリングします。

大きめのプロジェクト(プロジェクトのサイズ195M、ソースファイル約500)にて以下の動作を検証

1.Macを起動直後にXcodeを起動させる。
2.プロジェクトをビルド&実機にて2回実行する(すでにアプリはインストール済みとする)

小さめのプロジェクト(プロジェクトのサイズ5M、ソースファイル約50)にて以下の動作を検証

1.Macを起動直後にXcodeを起動させる。
2.プロジェクトをビルド&実機にて2回実行する(すでにアプリはインストール済みとする)

検証結果

MacbookProで大きめのプロジェクトの動作を検証

まずはOSが起動した直後のリソースの状況です。

CPU

macpro3

メモリ

macpro4

Xcodeを起動します。所要時間は5.3秒でした。リソースの状況は以下です。

CPU

macpro5

メモリ

macpro6

続いてビルド&実機で実行します。所要時間は1回目が18.9秒、2回目が11.9秒でした。リソースの状況は以下です。

CPU

macpro7

メモリ

macpro8

Macbookで大きめのプロジェクトの動作を検証

まずはOSが起動した直後のリソースの状況です。

CPU

mac3

メモリ

mac4

Xcodeを起動します。所要時間は6.2秒でした。リソースの状況は以下です。

CPU

mac5

メモリ

mac6

続いてビルド&実機で実行します。所要時間は1回目が25.9秒、2回目が14.9秒でした。リソースの状況は以下です。

CPU

mac7

メモリ

mac8

MacbookProで小さめのプロジェクトの動作を検証

こちらの方は時間の計測のみですので、以下のような結果になりました。

Xcodeの起動 所要時間   :1.5秒
アプリのビルド&実機で実行 :1回目が10.7秒、2回目が3.8秒

Macbookで小さなめのプロジェクトの動作を検証

こちらの方も時間の計測のみですので、以下のような結果になりました。

Xcodeの起動 所要時間   :4.3秒
アプリのビルド&実機で実行 :1回目が12.2秒、2回目が3.7秒

まとめ

上記の結果をまとめると以下のようになります。

大きめのプロジェクト(プロジェクトのサイズ195M、ソースファイル約500)

Xcodeの起動

MacbookPro  5.3秒
Macbook   6.2秒

ビルド&実機で実行

MacbookPro  1回目 18.9秒 2回目 11.9秒
Macbook   1回目 25.9秒 2回目 14.9秒

小さめのプロジェクト(プロジェクトのサイズ5M、ソースファイル約50)

Xcodeの起動

MacbookPro  1.5秒
Macbook   4.3秒

ビルド&実機で実行

MacbookPro  1回目 10.7秒、2回目 3.8秒
Macbook   1回目 12.2秒、2回目 3.7秒

検証方法自体がざっくりなのでおおよその使用感というレベルで捉えてもらえると助かります。ただ、実際に運用しているアプリのプロジェクトですので、ある程度参考にはなるかと思います。

結果ですが、思っていたよりもMacbookが検討しているなという印象です。やはり規模がある程度あるプロジェクトの場合にはビルド&実行時間に差が出ましたが、小さめのプロジェクトの場合はかなり差が縮まります。

それにビルド&実行時間に関しても初回はそれなりに差が出ますが、2回目以降は差が縮まるため実際の作業効率という意味ではそれほど両者に差はないように感じました。

実際に使っていても、今回検証した状況ではそれほど両者に差は感じられませんでした。ただ、使い続けているとメモリが圧迫されてきて、どのような動きになるかはまだ未知数ですし、他のアプリなどでリソースが食い潰された時もどうなるかですね。

ですがMacbookがここまで頑張ってくれるとは予想外の結果で、外出先でもガンガン開発できるなと喜んでいます。(多分あまりしない・・・)

・・・と思っていたら、意外と持ち出す機会がありました。

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