私はかれこれ大阪で10年以上フリーランスという形でITエンジニアをやっています。
別の呼び方をすると、個人事業主です。
業界では「独立して5年続けられれば一人前」みたいなことも言われているようですが、それを鵜呑みにするのであれば、私は一人前なのかもしれません。
しかし、ITエンジニアの世界でいうと、経験年数はある程度いくとあまり関係ないです。
むしろ、経験年数が私のように10年以上となると、それなりに歳もいってるわけですから、デメリットになる場合もあります。
ただ、一つ言えるのは今こうして自分がITエンジニアの端くれとして食っていけてるのも、経験によるものが大きいということも身にしみています。
もちろん、生き残るための戦略を立て、ビジネスとして成立させていく努力も必要となりますが。
そして、私はある期間を除いては大阪を拠点にしてきました。
国内でのITにおける需要は大部分が東京に集中しています。
大阪はおそらく2番目だと思いますが、両者の差は歴然です。
正社員ならともかく、フリーランスでITエンジニアをやっていくのであれば、東京の方が断然有利です。
それでもフリーランスとして大阪でやっていくという人のために少しでもお役に立てればと思い、この記事を書きました。
かくいう私もやはり大阪という地がなんだかんだいって住みやすく働きやすいので、ずっとこの地を離れないのだと思いますが・・・。
大阪と東京の違い
まずは大阪と東京の違いから。
報酬・単価
みんな気になるお金の話(笑
まったく同じような仕事でも大阪と東京では報酬や単価が違います。
大阪でSESで月額単価が60万なら、同じ仕事で東京なら70万だったりしますので。
これは需要と共有のバランスでしかないのですが、東京は需要(案件数)がとにかく多いです。
なので常にエンジニア不足なため、どうしても単価が上がりやすい。
大阪は需要と供給のアンバランスがそこまでではないので、どうしても単価が上がりにくいです。
また、請負案件の場合も東京のほうが払いが良いです。
大阪はとにかく少しでも安く済ませようというクライアントが多い(笑
といっても、あくまで比較してのことであって、東京でも値切ってくるクライアントはいます。
仕事の量
これは上の報酬にも関しているところですが、大阪と東京では仕事の量、つまり案件の量が段違いです。全体的な割合でいうと「大阪:3 東京:7」か「大阪:2 東京:8」といったところでしょうか。
私が主にやっているモバイル系の開発でいえば「大阪:1 東京:9」ぐらいな印象です。
技術の先進性
東京は大阪に比べて先進的な技術やサービスを使って何かしようという案件が多いです。
大阪は遅れをとっていて、取り組んでいたとしても単発が多いですね。
それにやっている企業はベンチャーなどの小さいところばかりな印象です。
大企業はどうしても利益重視なので冒険できないという事情もあるんでしょうね。
東京で取り入れた技術やサービスを、遅れて大阪でも採用していくという流れだと思います。
大阪のIT業界は狭い
大阪のIT業界についてです。
あくまで個人の印象であり、偏見として読んでください(笑
大阪のIT業界って狭いです。
東京で仕事をしていたときは、ある案件で知り合った人と違う案件で再会するなんてことは滅多にありませんが、大阪はちょくちょくあります(笑
「あれ、あの時の」みたいな。
なので、あまり適当なことをしたり、失敗を繰り返していると業界内で悪い噂が流れてしまいます。
特にJavaの案件なんかだと大型案件が多いため、あるプロジェクトが解散して次のプロジェクトに行ってみたら何人か顔見知りがいるみたいなことが起こります。
フリーランスでやっていくには、評判は重要です。
仕事でクライアントから評価してもらえば仕事の継続はもちろん、他の仕事をする際もスムーズに事が運びやすいです。
精神論者が多い
最近は減ってきていますが、大阪は精神論で物事を乗り切ろうとする人が多いです。
IT業界でスケジュールが厳しいというのは日常茶飯事で、無理を強いられるのはいつも現場です。
その際に「気合で乗り切れ」、「集中すれば予定の半分で終わらせられる」なんて平気でいう人がいます。
実はそういう人に限って自分ではプログラムが書けなかったりするんですが(笑
相手にしないに越したことはありませんが、こういう精神論者に対抗するには「自信」と「理論武装」が必要になってきます。
技術者としての知識と経験に裏打ちされた「自信」と客観的な視点で自らの理論が正しければ恐れることはありません。
ただし、相手と一緒になって「言い争い」をしてはなりません。泥沼化となりますので(笑
需要が少ないからこそチャンスもある
上で大阪の仕事量は東京に比べて断然少ないと書きました。
でもそれは逆にいうと、供給も少ないということ。
これはどういうことかというと、一度手の内に入れてしまえば競争相手が少ないということを意味します。
フリーランスでやっていくのであれば、もちろん基本的なITスキルは必要です。JavaやC#でプログラムが組めたり、設計できたりといったところは避けては通れません。
ただ、そこから半歩、または一歩リードすることによって、うまくいけば競争を回避できます。
私の場合はiOS開発に必要なObjective-cとSwiftを武器にしています。
大阪でもiOS開発をやっている会社はいくつかありますが、会社組織になるとどうしても諸費用や利益を乗せる必要があるため、コストがかさみます。
それに比べて、私のようなフリーランスであれば対企業で見たとき、価格競争力で優位に立てます。
もちろん企業とフリーランスでは信用や役割も異なりますが、大阪は比較的小規模、低予算な案件が多いため、フリーランスにもチャンスありな市場です。
さらにiOS開発をやっているフリーランスはあまり多くないため、それほど価格競争に巻き込まれないというのも大きなメリットです。
市場動向チェックは必須
これは別に大阪に限ったことではありませんが、IT業界の市場動向は常に気にかけておいて損はないです。
今どのような技術に需要があるのか、今後どのような人間が必要となりそうか。
移り変わりの激しい世界ですし、食っていくには技術者として需要を満たさなければなりません。
そして、そのためにはアンテナを張り、情報を取り込んでいく必要があります。
大阪をはじめ関西でフリーランスとして働くのであれば需要、すなわち案件の集まるエージェントに登録しておくのは必須です。
おすすめは ギークスジョブと、ITプロパートナーズ 、それにレバテックフリーランスです。
私も利用したことがありますが、それぞれ案件が豊富で単価も比較的高い傾向にあります。
最近は案件を紹介してもらってもなかなか仕事ができていないのですが、それでも業界の動向やクライアントの求めている技術者の傾向、業界内の景況感を教えてくれるので大変助かっています。
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