私はフリーランスのシステムエンジニアになってから10年ほど経ちますが、私の周りでは割合的には会社員という働き方をしている人が多いようです。
その人達にフリーランスになったきっかけを聞かれることがたまにあるのですが
「給料あげてと言ったら、その場であがったから」
という返しをすると、当然「???」となりますが・・・。
名ばかりリーダー
私はIT業界3年目で後にも先にも一番の修羅場を経験したのですが、あるプロジェクトでいきなり10名ほどから構成されるチームのリーダーに祭り上げられました。
それまで経験したプロジェクトも3つほどしかなく、しかも全部プログラマーとしての経験しかなかった私はしばらく地獄の日々を過ごすこととなりました。
というのも今ならリーダーとしての役割はある程度分かってはいるつもりですが、当時の自分はまだ右も左もわからなかったため、要件定義から設計、プログラマーの管理やWBSの作成など未知の領域ばかり、、、。それでも別チームの先輩SEに指導してもらいながらひたすら食らいつきました。
1年間社畜と化す
後から考えると、そもそもの人員配置などのリソース管理がめちゃくちゃで私の責任ではない部分もあったと思います。
しかし当時の自分はその事さえも判断できないほど経験が浅く、毎日終電コース、場合によっては徹夜で会社に泊まることも時々あるほど激務でした。
当時はまだこんな言葉なかったのですが、いわゆる”社畜”ですね。
ええ、もうどっぷり(笑
そして数ヶ月が過ぎるとまがいなりにもシステムの輪郭が見えてくるというか、様々な機能が形となってくると、さらに1年後には新システムのリリースにこぎつけることができました。
入社数年の若造が暴挙に出る
人間目に見える成果が上がってくると自信にもなります。さらに半年以上かなりの激務を耐えたという達成感もありました。
そうなってくると人間欲が出てきます。なんで俺の給料はこんなに安いんだと。
当時の私の給料は年収で360万ほどで、今から思えば業界標準や大阪というロケーションを考えるとそこまで悪い水準ではなかったかもしれません。
しかし、めっちゃ働かされたという不満とやってやったという思い上がりで、私は当時所属していた会社の社長に給料を上げてくれないかと直訴しました。
中小企業の給料は簡単にあがる
今でも結構鮮明に覚えているのですが、私が給料を上げてくれと伝えると社長は
「いくら欲しいん?」
「420は欲しいです」
「わかった」
「!?」
実際は来期からとなったため、数ヶ月後からの給料アップだったのですがほぼこれだけのやりとりでした。
マジで!?ヤッタ~!と思ったのも束の間、すぐに頭をもたげたのは”これ、言わなかったらそのままやろな・・・”
やはり正直者は馬鹿を見る
この給料アップの交渉(と言っても3分ぐらいで終了)をきっかけに自分の中で会社に属するということに対して疑問を持つようになりました。
社会や組織って声の大きかったり口うるさい人へは甘いけど、人が良かったり大人しい人はいいように扱ったり、隅に追いやったりするなと。
現場に派遣されるような中小の場合、どういった技術を習得できる現場を経験するかっていうのも重要なことなので、会社の都合の良い使われ方をして、気がついたら全然キャリアアップしてないっていうことも充分考えられます。
なのでIT技術者として自分がどういうキャリアアップをしていくのかを考えた時に会社に属していることは非常にリスキーだなと。そして最終的には自分の生き方や考え方だとフリーランスという働き方が性に合ってると思うに至ったわけです。
今となってはフリーランスという働き方がなければ、自分は社会不適応者になっていたかも。