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【書評・感想】嫌われる勇気は人生をシンプルにしてくれる良書

嫌われる勇気、今更ながら読んでみました。

嫌われる勇気

嫌われる勇気とは?

もはや説明不要なほどのベストセラーだと思いますが、一応概要を紹介しておきます。

「嫌われる勇気」は岸見一郎と古賀史健の共著によるアルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」を解説したものです。

フロイトとユングの名前は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

その両名と肩を並べる心理学者であるアルフレッド・アドラーは日本ではあまり有名ではありません。

どちらかというと、こういった解説本などではじめて名前を知る人も多いんじゃないでしょうか。

私もその一人です(笑

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係の改善について具体的な方策を提示している本書。

心理学というと小難しい印象を受けますが、本書は青年と哲人の対話をとおして語られているため、読みやすい構成となっています。

嫌われる勇気の構成

あまりに有名な本なので、本の内容に関しては本当にさらっとだけ紹介します。

個人的に気になった箇所を抜粋しているため、内容すべては網羅していませんので、あしからず。

・すべての悩みは対人関係が起因している

冒頭でも書きましたが、なかなか強烈な主張かと。

アドラー曰く「個人で完結する悩みは存在しない」そうです。

どのような悩みでも他者という存在があるから、生まれるものだと。

・過去に支配されない生き方

今の自分は過去が「原因」で存在していると人は思うでしょう。

しかし、アドラー心理学はそれを否定しています。

では今の自分はなにからできているのか。

それは「目的」。

なんらかの目的を実現するために、人は考えたり、行動しているとのこと。

・「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない

承認欲求を完全否定しているアドラー。

「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない。

それでは他者のために生きているのも同然。

なので「自分のために行動し、自分の人生を生きよ」と提言しています。

・本当の自由とはなにか

本当の自由なんて、一つの答えとしてありうるのか。

そんな疑問にもアドラーは答えています。

人間は「自分に価値がある」ことを確認するために、他者から本能的に評価を求めます。

上では承認要求を否定していますが、同時に本能として避けて通れないものだと、アドラーは認めています。

ちょっと矛盾しているようにも思えますが、アドラーはこれに関して「課題の分離」という考え方を提唱しています。

どういうことかというと、自分への他者からの評価や信頼は「その他者の課題」であり、「自分の課題」ではないと解釈します。

つまり、他者からの評価や信頼は自分にはどうすることもできないので、簡単にいうと「気にするな」というわけです。

自分は自分への課題に対して精一杯取り組めば言い訳ですし、必要なこと、必要でないことが整理されます。

これによって、いかなる他者からも束縛されない「本当の自由」が得られるという思想です。

・「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ

人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しない。

過去にどんなことがあったかなど、今の自分には関係ない。

未来がどうなるかも同じこと。

「いま、ここを」真剣に生きていたら、そんな考えはどうでもよくなる。

フロイト的な原因論に立っていると、人生を因果律に基づく大きなストーリーとして考えがちです。

しかし、アドラーはこれを否定します。

人生とは点の連続であり、連続する刹那である。

そのことが理解できれば、もはやストーリーは存在しなくなります。

嫌われる勇気の感想

やはりベストセラーになるような本は読んでおくべきだと思いました。

内容はかなりパンチの効いたものであり、極端な部分も少なくないのですが、生きる上で知っておいたほうが良いことがそこかしこに散りばめられています。

別にすべてを受け入れる必要はありませんし、自分が取り入れてみようと思う部分だけピックアップするのであれば、非常に有益な1冊だと感じましたね。

一番面白いのは本書のタイトルにもなっている「嫌われる勇気」・・・と普通はなるのかもしれませんが、私は少し違う感想を持ちました。

アドラー心理学では、承認欲求が他人に束縛される原因だから、捨ててしまうというのが自由への道となっています。

人に嫌われることを恐れてはならない。

承認要求の奴隷になるのではなく、人に嫌われることを恐れずに、自らの意思に従って生きるべきだ。

言ってることは間違っていないと思いますし、理想の生き方かもしれません。

ただ、自分としては「人には適度な束縛というか不自由が必要」ではないかと考えています。

あまりに人のことを気にして、人の顔ばかり伺っていては窮屈で仕方ないですが、人ってなんらかのプレッシャーがあったほうがよかったりするんですよね。

アドラーは人から評価されるんではなくて、人の役に立つことで、生きがいを感じるべきと論じています。

これは人によりけりかもしれませんが、人から評価されるのも悪くないかと。

人の役に立つだけでは、満たされない部分があるような気もしますので。

まあ、言葉遊び的なものになりそうですが・・・。

過度に人の評価を気にする必要はないかと思いますが、人から評価されたら単純に嬉しいですので、それはそれで大切にしてもいいのではないかと思います。

まとめ

アドラーの思想を否定するような感想になってしまったかもしれませんが、総じて気づきがいくつもあり、満足感の高い内容でした。

アドラーの主張は今の時代を生き抜くための重要なヒントになりうるかと。

本の中で「人生とはシンプルなもの。複雑にしているのは自分自身」という表現があるのですが、これはまったくその通りだと思いますね。

日々発生している事象そのものに意味なんてないのに、勝手に人間が意味づけしているだけですので。

もちろん、わかっていてもままならないのが人の心ですが。

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