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【書評・感想】モノを捨てよ世界へ出ようを読んでより現実に帰る

「モノを捨てよ世界へ出よう」を読んでみました。

モノを捨てよ世界へ出よう

著者は一時期「ハイパーメディアクリエイター」というなにやらよくわからない肩書きを持っていた高城剛氏で、現在はライター?

元妻が女優の沢尻エリカと言ったら「ああ」となる人が多いんじゃないでしょうか。

そういった肩書きに興味のない私は、フラットな気持ちで一気に読破しました。

感想を一言で表現すると「こういう生き方もあるんだな、なるほどなるほど」。

モノを捨てよ世界へ出ようの構成

全体の構成は以下のようになっています。

・沈む国ニッポン
・海を越えた先に待つすばらしき世界
・海を渡るのはとにかくカンタンだ!
・高城剛的オススメ海外スポット
・洋行経験者が日本を変える
・あとがき

流れとしては日本はこのままだと沈んでしまう。海外に目を向けよ。海を渡るのはそれほど難しくない。外の世界を知っている者なら日本を変えることも可能、と進んでいきます。

とにかく筆者は日本に引きこもっていては駄目だと訴えています。

日本を見つめ直すためにも、変化し続ける時代に自分自身を適合させるためにも、海を渡るべきだと。

日本ってそんなに終わっているのか?

読んでいて気になったのが「日本はそこまで駄目になっているのか」ですね。

この本が書かれたのが東日本大震災の翌年、2012年なので余計にそういう考えになっているのかもしれませんが、個人的には極端すぎやしないか、と。

もちろん、現在の日本は少子化や社会保障などの国を揺るがす問題が山積しているのも事実ですが、世界の中で相対的に見たら、裕福で安定した国家ですよ。

筆者はアメリカやヨーロッパの国を引き合いに出して、日本は・・・と嘆いていますが、アメリカはアメリカで格差問題が深刻ですし、ヨーローパも到底ひとくくりにはできませんが、イタリヤの失業率問題など、国家として問題を複数抱えている国ばかりです。

日本もこのままだと国の総生産(GDP)が落ちていくのは当たり前ですが、だからといってもう日本はおしまいだ、沈んでしまうんだとは思いませんけどね。

海外に行かなくても人生は楽しめる

若いうちに旅をせよ。

若者は世界へ出よ。

みたいなキャッチフレーズを見るたびに、ちょっとした違和感を覚えます。

それは「そうしないと、成功しない」という圧力を暗に感じるからだと思います。

別に一生海外に出なくてもよくね?

と反発心が出てくるんですよね、んなもん人の勝手だろと。

私は仕事で香港や台湾にちょくちょく行くのですが、確かに海外は刺激的です。

日本とはまったく違う文化、習慣があり、いろいろと学べることも多いです。

でも必要ない人にとっては、あってもなくても一緒。

必要に感じたら行けばいいし、そうでなければ行かなくても人生は楽しめるんじゃないですかね。

こんなこと言ったら身も蓋もないかもしれませんが、これが率直なところです。

豊かさのパラダイムシフト

本書で一番印象に残ったのは豊かさのパラダイムシフトかと。

これまではアメリカ主導の大量生産、大量消費こそが豊かさの象徴でした。

これが21世紀に入って、変わっていくだろうという話です。

これまでは立派な家に住んで、高級車を乗り回すような生活が成功の象徴でしたが、これからはそういうお金持ちはカッコ悪く、時代遅れだと切り捨てています。

これに関しては私自身、モノを買ってストックしてもあまり意味がないなと感じているので、共感するところが少なくないです。

本当の豊かさとは、どこにいるか、何をするかといった自由が常に保証されていることじゃないですかね。

ハイパーノマドって羨ましい

筆者は本書のタイトルどおり、モノを捨て、世界中を渡り歩いています。

ノマドって言葉が数年前から聞かれるようになりましたが、筆者は自らを「ハイパーノマド」と称しています。

ハイパーノマドとは、フランスの経済学者であるジャック・アタリが提唱した21世紀のライフスタイルの一つで、彼は今後、国を超えて稼ぎを得る非定住者と国を出ることができずに貧困に過ごす定住者とに世界は別れると主張しているとのこと。

上でも書きましたが、これ、完全に自由な状態なので羨ましい限りです。

もちろん、現実はどうなのかわかりませんが・・・。

真似すると火傷する

筆者は能力も金もコネもある人なので、一般人が真似したら火傷しますね。

ハイパーノマドとか、モノを捨てて海外出るとか。

火傷程度ならいいですが、人生詰んじゃうかもしれないのでご利用は計画的にです。

ノウハウ本みたいな書き方をしている部分もありますが、どちらかというと自叙伝のようなものだと思って読んだほうがよいでしょう。

まとめ

本書を読んで「自分も!」と思う人は要注意(笑

まあ、そんな人はまずいないと思いますが・・・。

内容としては日本の政治システム、労働システムの問題を取り上げていたりして、面白く読める部分もあります。

筆者が滞在した世界各国の有名都市の紹介もなかなか読み応えがあります。

ただ、なんの算段もなく海外に出ても詰むだけです。

これ、海がめっちゃ綺麗だからと勢いで南の島に移住してしまった人が、しばらくして現実と向き合うことになるのと大差ないかと。

とにかく海外に出ても、そこには何もない可能性が高いですしね。

だって、海外といっても、そこには今現在住んでいる日本と変わらない日常が待っているわけで。

ぶっちゃけ、海外に出て活躍できるぐらいの能力がある人は、日本でも活躍できますしね。

海外に行くことを否定しているわけじゃないですが、戦略なく行き当たりばったりでいっても、よほどの能力や才能がないと得るものはそう多くないでしょう。

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