金持ち父さん貧乏父さん、今更ながら読んでみました。
金持ち父さん貧乏父さんとは?
一言で表現すると「経済的成功」について書かれた本です。
著者はアメリカで経済的に成功した「いわゆる金持ち」。
ご本人の経験を基にしたお金の哲学について語られています。
お金に関する類似の本は数多く出ていますが、タイトルにもあるとおり、著者には二人の父親が存在していたというところが本書の特徴です。
貧乏父さんは実の父親。
一方、金持ち父さんは友達のマイクの父親、つまり著者と血の繋がりはまったくありません。
しかし、筆者は金持ち父さんから多くのことを学び、自らの人生の礎にしています。
金持ち父さん貧乏父さんから真逆の教育を受ける
筆者は幼い頃に金持ち父さん、貧乏父さんからそれぞれ教育を受けます。
しかも双方がまったく逆の思想を持っているため、言っていることも真逆だったりします。
というのも、貧乏父さんは公務員で、金持ち父さんは実業家。
正反対の仕事をやっている二人なので、考え方も手法もまったく違うのは当たり前。
混乱するのは筆者です。
まだ小学生なのに、日々それぞれの父親から正反対のことを吹き込まれるわけですから(笑
具体的にあげてみます。
勉強について
金持ち父さん → お金の稼ぎ方を学ぶべき
貧乏父さん → 学問をひたすら頑張るべき
仕事について
金持ち父さん → 良い会社を築きなさい
貧乏父さん → 良い会社に入りなさい
お金について
金持ち父さん → お金がないことが悪であり、お金に働いてもらう
貧乏父さん → お金に執着することが悪であり、お金のために働く
とそれぞれの主張は完全に対立してしまっているわけです。
筆者は金持ち父さんの教えを支持し、そちらの道へと突き進みました。
筆者も語っていますが、まったく違う教育を同時に受けられたのはかなり恵まれた環境だったと思いますね。
どちらか一方のみだと、客観的に判断するのは難しいですし。
あえて客観的な視点で振り返れるからこそ、どちらの教えを取り入れるのかを判断し易かったのではないでしょうか。
日本だったら大多数は貧乏父さんの教えを受け入れそうですけどね。
そっちの方が確実で簡単ですから。
金持ち父さんの主張
金持ち父さんの主張の中には金持ちになるためのヒントがふんだんに隠されているかと。
それらの中で私が印象に残ったものをピックアップしてみました。
・従業員は首にならない程度に働き、経営者はやめない程度に賃金を出す。
ちょっと「フフッ」となります。
まさに今の日本の雇用関係ですよね。
みんな頭ではなんとなくわかっているんでしょうが、言語化すると雇用というものの世知辛さが如実に現れてきます。
・中流の人間は資産と思って負債を買う
これは耳の痛い話ですが・・・。
日本人の多くは自宅や自家用車を資産と勘違いしている人が多いんですよね。
会計的には完全に負債です。
簡単にいうと、支出しか生まないものは負債であり、継続的な収益を産むものが資産です。
これはもうどんなに取り繕っても変えられない事実です。
もちろん不動産であれば売却益という考え方もありますが、はじめからそれを狙って買うのであればそれはもう立派な投資ですよね。
頭で理解していても、一般人にはなかなか難しい現実もありますので。
・金持ちになっても問題は解決しない
金持ち父さんは「金持ちがお金を持っているのは、欲望のためではなく恐怖のためだ。金持ちはお金を持たないでいることの恐怖、貧乏になることの恐怖をお金が打ち消してくれるだろうと本気で信じている。だからたくさんお金を貯める。でも、その結果わかるのは恐怖がもっと強くなっていることだけだ」と語っています。
これはほんの少しだけ実感としてわかります。
私は野村総合研究所による富裕層の定義からすると準富裕層に位置するみたいですが、資産を増やしても生活自体はそれほど変わらず、その資産をどう維持していくか、増やしていくかの恐怖のほうが勝ります。
なので、お金をある程度持っていたとしても、幸福感はそれほど上がらないんじゃないでしょうか。
ただ、様々な選択肢は増えますので、恩恵は少なくないとも実感していますが。
・重要なのは頭脳
頭脳と書くとすごく難しいことのように思えるかもしれませんが、要は「考えること」が重要だと金持ち父さんは説いています。
例えば、資産が1億あるよりも継続的に年間の不労所得が500万ある方がずっとキャッシュフロー的には大きいです。
そして、不労所得を500万も獲得し続けるには頭脳が必要になります。
仮に親から不動産を譲り受けても、何も考えないでいると継続的な収益は危ういでしょうし。
自らが重要な資本になるというのは、どこまでいっても重要なキーワードになりますね。
感想
この本が実話だということは非常に興味深いですし、参考にもなりそうです。
なんの事前知識もなしに読んだのですが、その辺りがちょっと気になっていましたので。
空想の金持ち父さん貧乏父さんなのか、実在するのか。
私の目指すところとしては金持ち父さんですので、参考になる話もいくつかありました。
ただ、後半は不動産投資の話が中心になっていた部分も多く、アメリカと日本というまったく事情のことなる両者ですので、こういうやり方もあるんだな、という程度で読みましたね。
本書で最も共感したのは「お金は充分あるけど、自分は好きだから働いている」というところです。
これって理想ですよね。
筆者と私では資産レベルが違いすぎますが、目指すところはまさにこれに近いです。
ただ、不労所得だけで生活可能なんて到達できそうもないので、「半分お金のため、半分は楽しいから」というぐらいが目標です。
金持ち父さん貧乏父さんはとにかく実践することをすすめています。
なんでも実際にはじめてみないことには1ミリも進んでいないことと同じですからね。
これはなかなか実行に移せないことでもあり、肝に銘じて日々過ごそうと改めて思いました。
で、「金持ち父さん貧乏父さんは読んでよかったか」ですが、もう一度読み返そうかと思わせてくれるぐらいの内容でしたね。
今度は不動産投資の部分は華麗にスルーしますが(笑
金持ち父さん貧乏父さんは経済的自由に興味がある人にとっては、いろいろ学べることも多い良書かと思います。