仕事術 考察

疑問や質問がない人はエンジニアには向いていない

疑問

社会人として新しいスタートを切った人たちも、そろそろ仕事や職場に慣れてきた頃でしょうか。

私自身も取引のある会社に訪問したりする際に初々しい新人を見る機会があり、少し羨ましくもあります。

そんな新人について、毎年のように取引先の中堅社員である知人が愚痴をこぼしてます。

どんな愚痴かというと「新人が全然質問をしない」そうです。

質問をしない新人

私がいる業界はいわゆるIT系です。

ですので、取引先もIT系が多く、上に挙げた新人が質問しないと嘆いている社員がいるのもIT系の会社です。

ITの世界って日進月歩で日々新しい技術が生まれては消えていっています。

なので、どれだけ経験や知識を得てもそれでコンプリートなんてことは一部の例外を除いてはないと思います。

ましてや新人はいくら専門学校や大学でプログラミングを学んだといっても、実践の場ではあまり役に立たなかったりしますからね。

それに、仕事の進め方などは一から覚えることになりますし、知らなければならない事は山のようにあるはずです。

したがって、質問がないなんてことはあり得ないはず。

実は私は以前、新人教育を何度かしたことがあって、もったいぶった言い方をしてすみませんが、原因は分かっています。

おそらく大方の人が分かっていると思いますが、新人はまだ「何を質問したらいいか分からない」状態なんです。

これはどうしようもないです。いきなりは無理ですので、徐々に仕事というものを理解して、様々な疑問が出てくる度に周りの人に聞けばいいのですから。

受動的な人は伸びない

私はこれまで何人もの若手と仕事をしてきましたが、伸びる人とそうでない人には明確な違いがありました。それは能動的か受動的かです。

前者は何につけても積極的に動く姿勢が見られますし、常に疑問も持ち、それに伴う質問もしてきます。

「これは何のための機能なんですか?」

「なぜこんなデータ構造になるんですか?」

「この仕様っておかしくないですか?」

といった質問が彼ら彼女らからは常に飛んできます。

中には見当外れなことを言ってくる人もいましたが、何も聞かないのに比べたら何倍も見込みがあります。

IT業界って、イメージでプログラムやシステムの知識に重きを置かれているように思われがちですが、よほどレベルの高い案件でない限り、本質的に重要な事って別のところにありますから。

ここで詳細まで語ると長くなってしまいますので、キーワードだけ出すと「想像力」、「理解力」、「表現力」、「論理思考」、「コミュニケーション能力」といったところでしょうか。

何かに特化するのなら別ですけど、そこそこ仕事ができるエンジニアを目指すのであれば、上で挙げたそれぞれの能力を高め、勝負すれば大抵のプロジェクトは乗り切れると思います。

そして、これらの能力を高めるのに重要になってくるのが「能動的」に考え、動けるかです。これがなく、いつまでたっても受け身でいたら、自らの価値を高める事は難しいでしょう。

勉強会での違和感

私は定期的に取引先にて勉強会といったものを行なっています。

勉強会といっても大層なものではなく、社内のエンジニアが技術者としてレベルアップするのを少しフォローしているくらいのものです。

テーマとしては、例えば以下のような感じです。

・ITエンジニアとしての価値を高めるには
・大規模システム開発(SI領域)における開発事例
・モバイルファースト時代にエンジニアに求められるスキル

その中で毎回感じることがあって、何かというと質問が少ないんですね。

講習会のスピーカーは8割私なんですが、あるテーマで話した後に意見交換の時間を設けるのですが、大抵何も出てこない。

話したテーマについて、すでに熟知しているから何も聞く必要がないっていう事であればいいんですよ。でも、そうじゃない。

例えば、ITエンジニアとしての価値を高める手段の話をした時に、情報収集の重要性を説いたのですが、その後に参加者の情報収集先を尋ねてみたんです。

そうしたら、あまり出てこないんですよ。中堅クラスの人からはぽつぽつと出てくるけど、若手クラスからは何も出てこない。

情報収集が重要ということを理解した上で、その情報の入手先が分からないんであれば、知ってそうな人に聞くのが一番手っ取り早いじゃないですか。

もしかしたら、自分で調べようと思ったのかもしれませんが、どうもそんな感じでもない。世の中では「教えて君」は嫌われるという風潮ですが、これは見ず知らずの人に対してのことですからね。

そんなに手間なことでなければ、節度を意識しつつ、周りの知ってる人に聞けばいいんですよ。

どういうつもりかは分かりませんけどね。やる気がないのか。興味がないのか。遠慮しているのか。

いずれにしても、良い傾向ではないと思います。

疑問や質問が出てこない人はエンジニアに向いていない

エンジニアって創造的な職業だと思います。何もないところから、システムやらサービス、アプリケーションなどを生み出すわけですから。

そして、そのためには数々の疑問や質問が出てくるはずです。

・ユーザーが求めているものはなんなのか。
・どういった技術がこのシステムには最適なのか。
・そもそもこの機能は本当に必要なのか。
・こんな難しいことをしなくても、実現できるのではないか。

こういった数々の疑問を持ち、それらと対峙していくからこそ、価値あるものを提供できますし、さらなる成長が見込めるんだと思います。

エンジニアには成長が不可欠です。その成長に欠かせない養分である疑問や質問が出てこない人はエンジニアには向いていないかもしれません。

-仕事術, 考察

© 2023 FIRE達成のフリーランスエンジニアブログ