2月2日(金)にハンターハンターの35巻が発売されました。
それに気づいたのが、本日2月7日(水)。
完全に気を抜いていました・・・。
34巻の発売日が2017年6月26日だったので、まだ半年ちょっとしか経っていないですから。
ジャンプの連載は追っていないため、これほどのスピートで掲載されているとは思っていませんでした。
とにかく速攻で買って、一気に読みました。
ネタバレを含みますので、まだ読んでない人はご注意を。
王位継承戦について
34巻の後半に続いて、暗黒内陸を目指す船の中で行われる王位継承戦(という名の王子同士の殺し合い)を中心に話が進められます。
クラピカ目線で物語は進行し、本巻ではハンターハンターの主人公であるゴンはまったく姿を見せません。
殺し合いといっても、面と向かってやりあうわけではなく、王子たちを守護する念獣、もしくは自分以外の人間(部下など)によって他の王子の命を狙うという特殊なバトルロワイアルになっています。
おそらく最後まで変わらないと思いますが、王位継承編は完全に戦略と心理戦がメインです。
力勝負ではなく、知略を巡らし騙し討ちをする、いわば暗殺合戦とでも言いましょうか。
キメラアント編が個のぶつかり合いだったのとは対照的で、これはこれでハンターハンターの醍醐味かと。
クラピカの新たな能力「スチールチェーン」
冒頭からクラピカの新たな能力「奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)」が発動します。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
以前から気になっていたんですよね。
親指、中指、薬指、小指の能力は明らかになっていたんですが、人差し指は謎のままだったので。
普通に考えたら、まず人差し指じゃね?と思いますよね(笑
絶対強力な能力だと思っていたら、案の定・・・。
人差し指の能力「奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)」は一時的に相手の能力を奪うことができます。
幻影旅団の団長であるクロロが有しているものと少し似た、かなり強力な能力です。
クラピカはここで、念獣に操作されたサイールドから念能力を奪います。
その能力とは「捕らえた虫を操る」というなんとも微妙な・・・。
護衛がいきなり二人に
念獣に操作されて同僚を殺してしまったサイールド。
サイールドは拘束され、戦線を離脱します。
クラピカが警護する第14王子(ワブル)の護衛はたった二人に・・・。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
もともとクラピカは他人の力をあてにするタイプではないため、あまり意には介していなさそうですが。
念獣の主人が明らかに
サイールドを操っていた念獣の主人はどうも第12王子(モモゼ)のようです。
作中、断言しているわけではないですが、サイールドに話しかけていた念獣とモモゼの背後にいる念獣の姿が似ているので、間違い無いでしょう。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
しかも、本人の「何もしていないのに今日は疲れたわ」というセリフからも、念獣のとった行動は本人にもわからないみたいですね。
個性的な念獣たち
王位継承戦は念獣が重要な役割を担いますが、各王子たちの念獣が披露されます。
なかなか個性的な念獣たちで、この辺りは幽遊白書の妖怪と通じるものがありますね。
たとえば、第4王子(ツェリードニヒ)の念獣がこれ。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
王子たちを護っている念獣は寄生型らしく次の特徴があります。
・寄生型の厄介な特徴として「行動が読めない」
・誰かの残留思念が宿主(別の誰か)に憑いている
・宿主の力を借りて具現化する
クラピカのエンペラータイム発動
第1王子(ベンジャミン)の刺客が現れ、そこでクラピカは緋の目になります。
第14王子(ワブル)の母親であるオイト王妃に人指し指の絶対時間(ステルスドルフィン)を使って、なんとも微妙に思えた「捕らえた虫を操る」
という能力を移行させます。
刺客はあっさり倒され、ここではどちらかというとオイト王妃に「捕らえた虫を操る」という能力を渡すところを描きたかったみたいです。
念能力をめぐる駆け引き
クラピカによって王子たちに「念能力」の存在が明らかにされます。
もちろんこれはクラピカの戦略で、情報提供による見返りを期待したものです。
それと、王子たちが念能力を手の内に入れたいと思う心理を逆手にとって、王子同士の力の拮抗を狙ったものです。
力に差があると争いは容易に決着がつきますが、差がなくなれば積極的に動けなくなります。
そうなると、最も部が悪い第14王子(ワブル)にとっては好都合ですので。
クラピカの狙いは的中し、第3王子(チョウライ)と手を結ぶことに。
第4王子の覚醒
第4王子(ツェリードニヒ)は自らも念能力を身につけたいと言いだし、念の修行をはじめます。
どうやらツェリードニヒは念能力に対して天才的なセンスを持っているようですね。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
王子の中で最も危険な香りがする第4王子(ツェリードニヒ)。
今後の展開を期待させますね。
ツェリードニヒがとんでもない能力を身につけ、暗黒大陸編まで食い込んでくれたりしないかなと、妄想してしまいます。
「捕らえた虫を操る」能力の発動
「捕らえた虫を操る」という能力は、当然ですが小さな虫をまず捕らえる必要があります。
そこで対象の虫を探していたところ、一匹のゴキブリを発見。
無事、「捕らえた虫を操る」という能力を発動させたオイト王妃。
早速、他の王子たちの状況を探ります。
王子殺害
他の王子の情報収集中、オイト王妃は第12王子(モモゼ)が殺害される現場を目撃してしまいます。
第12王子(モモゼ)が誰によって、どの王子の指示によって殺害されたかはまだ謎です。
そもそも指示されたかもわかりませんが。
クラピカ倒れる
第12王子(モモゼ)が殺害された直後、クラピカが突然倒れます。
どうやら絶対時間(エンペラータイム)は3時間が限界で、それを超えると9時間も失神してしまうようです。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
しかも、絶対時間(エンペラータイム)は1秒につき、1時間寿命を縮めるとのこと。
今回は12時間継続していたため、ざっと5年ほどクラピカの寿命は縮んでしまいました。
さすが絶対時間(エンペラータイム)、失うもの大き過ぎ・・・。
念能力の指導
クラピカは自ら、各王子の部下や関係者への念能力の指導を提案します。
しかも2週間という短期間で。
これは王子たちの力関係の平均化が狙いでしょうが、そんな短期間で使い物になるのか甚だ疑問・・・。
集まった人間の中には、念能力者も紛れていて、さらには暗殺者まで潜んでいました。
出典:HUNTER×HUNTER 35巻
感想
クラピカが主役の話なので予想はしていましたが、かなり複雑なストーリー展開になっていますね。
登場人物もこれまでとは桁違いに多いですし。
キメラアント編以来の長編としての本格バトルではありますが、冒頭でも書いたとおり力比べではなく、生き残りをかけた知略や政治力が試される場になっています。
好みとしては、こういうのは大歓迎ですね。
キメラアント編では個としての能力がかなりインフレっぽくなってしまったので、これからどうするんだろうと気になっていましたが、まさかこんな切り口で攻めてくるとは。
読んでいて面白いなと思ったのが、王子たちの描かれ方です。
第1王子を除いては、王子たちの戦闘力は普通の人並みのはず。
おそらくクラピカやビスケが本気になれば、ものの数秒で殺せるんじゃないでしょうか。
それなのに第4王子には、まるで念能力者のような威圧感があります。
容易には殺すことができなさそうな説得力を持ってるんですよね。
その理由は、王位継承をめぐっての隔離された空間や、権力という見えない力によるものだと思います。
ヨークシンシティ編やグリードアイランド編、キメラアント編などではどれだけ権力があっても、最後は念を含めた力の前では無力でした。
しかし、今回は念能力だけではなく、違った種類の力が物語を盛り上げています。
これからどう展開していくのが、楽しみで仕方がありません!