私は社会人になってすぐに株式投資を始め、すでに10年以上続けています。
やり始めてすぐにビギナーズラックで利益を積み上げることができたんですが、これで調子に乗ってしまい、大きく利益を出そうとしてしまいました。
このパターンって初心者が陥りやすい落とし穴で、見事に市場という渦の中に資金の大半を飲み込まれることに。
この時点で完全撤退も考えましたが、このまま終わっては何も残らないと再度挑戦しました。ここで泥沼にはまってしまうこともよくあると思うんですが、私は戦術を転換させ、なんとか資金を元に戻しました。
戦術といっても大したものではなく、配当狙いです。それまで安定した収益を何十年も積み上げてきている企業を探し、そこに集中投資する。それを数年間続けました。
この数年は本当に長かったですね。株価が上がろうが下がろうが鉄の意志で静観し、ひたすら配当を受け取り続けましたから。
そして、ここ数年は売却益を得るスタイルに変更し、昨年(2016年)は幸い結果に恵まれ、年間の利益がサラリーマンの平均年収ぐらいとなりました。
また、10年ほど市場を追って、売買を繰り返すことによって投資について分かってきたことが何点かあります。
それらも含めて私が10年をかけて確立した投資方法をお話ししようと思います。当然ですが、これらは私個人の完全な主観によるものです。真面目に投資を勉強している人からすれば「なんじゃそりゃ!?」というような稚拙なものに見えるかもしれません。
しかし、投資に正解などありませんし、もちろん不正解もないと思っています。
あるとすれば結果から振り返って、ある一定期間、または売買における「成功」か「失敗」という判定が可能といったところでしょうか。
そういう意味では、私の投資戦術はここ3年ほどは成功しています。でも、今後3年成功するとは限りません。ですので、一つのスタイルとしてこんなやり方もある程度に読んでもらえればいいかなと思います。
大きく儲けようとしない
私が安定的に利益を得るためのマイルールとして、大きく儲けようと欲をかかないというものがあります。
ネット上では「毎月何百万儲けた」、「億単位の利益を得た」などの情報が氾濫していますが、私から言わせるとこれはガセネタかもしくは、本当であればギャンブルをした結果か、飛び抜けたセンスによるものだと思います。
もしくは、資金がかなり潤沢にあればこういった事も可能でしょう。10億の資金があれば、年利が3%として毎月250万の利益となるわけですから。
しかし、上で挙げたような情報は数千万円の資金で毎月何百万や億単位の利益を得る話ですので、年利換算でいうと1000%なんていうとんでもない世界です。夢は大いにあるかもしれませんが、それだけハイリスクでもあります。
私自身は投資の才能があまりないため、堅実に積み上げていく事を心掛けています。
できるだけリスクを排除した上で、それほど大きくはなくとも確実に利益を上げる。それが私の投資スタイルです。
新興株は避ける
上で書いた大きく儲けないという話とも関連するのですが、新興株は株価が上がる時は何倍、何十倍、あるいはそれ以上の場合もありえます。ですが、逆に言うと下がる時も激しいです。
それに会社の経営的にも浮き沈みが激しく、大型株に比べると安定感に乏しいです。
なので、私は新興株への投資は怖くて手が出せません。
できるだけ値動きの少ない銘柄にする
大型株でも値動きの大きい銘柄はハイリスク・ハイリターンです。
世間的に注目されている銘柄である任天堂やソフトバンクは取引高も大きく、値動きも激しいですので、売買していて面白いです。
私も過去に任天堂を何度か売買して、利益も得ました。しかし、値動きの激しさが自分には合ってないと思い、今は手を出していません。
現在は値動きの少ない東証一部の地味な銘柄を売買しています。
私の取引スパンは数日〜数ヶ月内ですので、世間でいうところの投機ということになるのかもしれませんが、ローリスク・ローリターンが信条です。
意思決定を人に預けない
以前は投資に関する情報などを読み漁ってプロのお勧めする銘柄も参考にしたりしていましたが、その結果売買してもあまり良い結果にならないことが多かったです。まあ、いいカモにされていただけかもしれませんが(笑
もちろんなんの情報もなしに株の売買をするのは危険ですので、各方面からの情報収集は欠かせません。ですが、意思決定そのものに関わるような部分は極力人の意見や考えなどは排除した方がいいかと思います。
というのは、他人の情報を基に売買が成功したとしても、それは本当の意味での自らの成功体験にはならないからです。自分で色々と分析し、熟考した結果の成功・失敗については、その原因も特定しやすいです。
最終的には元に戻る
過去の経験上の話ですが、株を買った(売った)時点から想定外の動きをして一時的には含み損が出たとしても、いつかは元に戻ります。
これはあまり値動きがない銘柄にしか言えない事かもしれませんが、過去数年の値動きの中で中央値付近で買った(売った)場合はまずその値段に戻ります。
例えば、10年間の値動きが400円〜800円の間だとすると500円〜700円付近で取引すれば、短期で想定外の動きをしたとしてもいずれは戻ります。
私の場合はこれはどちらかというと失敗談なのですが、短期的に見て損切りをしてからしばらくしたら値が元に戻っているのはよくある事でした。
もちろん、著しい業績不振や不祥事などの明確な理由があって値動きしているのならこの限りではないため、早めの損切りをした方が良いケースもあるでしょう。
株式投資はギャンブルなのか
ギャンブルの要素がないと言ったら嘘になるでしょう。明日株が上がるか下がるかなんて、誰にも分かりませんから。ただし、数ヶ月や数年という中長期で見ると値動きには必ず理由が伴います。それをどれだけ高い精度で見通せるかですので。
単純に上がるか下がるかだけでいうとそれぞれ50%の確率ですが、様々な要素を分析し、先を読むことができればその確率が60、70と上昇していきますし、3勝2敗で行けばプラスになります。
例えば、5回売買を繰り返したとして、1回あたり10万の損益を出したとします。3回は成功し、10万×3で合計30万。2回は失敗し、−20万×2で合計−20万。結果として10万の利益。
もちろん実際はこんなに単純な話ではありませんが、私のスタイルはこれです。機械的に売買して、その相殺結果でプラスになるように戦術を組み立てています。
なので、利益率はそれほど高くありませんが、大きく損も出さないようにしています。
最後に、世の中の様々な行動も私はある意味ギャンブルだと思っています。
例えば、自分の勤めている会社や、仕事を受けている先がいつまで好調な業績を維持し続けられるかは不明ですし、家を買うという行為もギャンブルという話はよく聞くと思います。車も故障のリスクを抱えていますし、病気や怪我も同じです。
ただ、悪い方へと転ぶ確率が低いというだけかと思います。
なので、株式投資で資金を運用する事もギャンブルの要素があることは否定しませんが、必要以上に恐れることはないのでは、というのが個人的な見解です。